退職したい時に、最初に整理する 4 つの事
退職したいと思ったら、最初に就業規則を開きます。確かめるのは、退職を申し出る期限と、引き継ぎの社内の決まりです。
この記事では、退職の前の準備を扱います。最初に確かめる 4 つの事、伝え方の手順、つまずきやすい点を順に説明します。引き継ぐ中身と優先順位は 退職したいけれど、引き継ぎが不安な時の進め方、同僚への申し訳なさで話を進められない時は 会社を辞めたいけれど、迷惑をかけたくない時に で説明しています。退職代行を使う時の引き継ぎは 退職代行を使う前に、引き継ぎを 1 時間で残す方法 で説明しています。上司に申し出るまでの 5 つのステップを順に追う形は、別の記事 退職までにやることロードマップ で説明しています。
最初に確かめる 4 つの事は何ですか
「就業規則」「辞めたい理由」「有給休暇の残り」「生活費」の 4 つです。後から変えにくい物を先に置いています。
| 確かめる事 | 見る物 | 最初の 1 週間で行う事 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 1. 申し出の期限 | 就業規則・雇用契約書 | 「退職」「引き継ぎ」の条文を読む | 退職願の書式の指定 |
| 2. 辞めたい理由 | 自分のメモ | 理由を 3 つまで書き出す | 希望する退職の時期 |
| 3. 有給休暇の残り | 給与明細・勤怠のシステム | 残りの日数と付与日を確かめる | 引き継ぎの期間との重なり |
| 4. 生活費 | 通帳・家計簿 | 固定費と変動費を分ける | 退職後の税と保険料 |
退職は、何日前までに申し出ますか
就業規則の「退職」の章で、申し出の期限と提出する書類を確かめます。
- 期間の定めのない雇用契約は、解約の申入れの日から 2 週間で終了します(民法第 627 条)。会社の同意が無ければ退職できない、というものではありません。
- 就業規則に退職の規定が在る場合は、原則として就業規則の規定が適用されます。ただし、極端に長い申し入れの期間を定めている場合などは、無効とされる事が在ります。
- 就業規則に「退職予定日の 1 か月前までに申し出る」と定めている会社も多くあります。
- 契約期間の定めが在る場合は、途中で辞める条件が違います。やむを得ない事由が在る時の扱いは、公的な窓口で確かめてください。
出典は末尾に在ります。
辞めたい理由を、どう整理しますか
頭の中で考えるだけでなく、紙やメモに書き出します。書く事は「主な理由」「今感じている課題」「これから望む働き方」の 3 つです。希望する退職の時期も書きます。
理由とは別に、担当している案件、定期的に行っている業務、社内外の連絡先も一覧にします。
有給休暇の残りから、退職日をどう逆算しますか
- 給与明細や勤怠のシステムで、有給休暇の残りを確かめます。
- 引き継ぎに要る日数を見積もります(担当の業務・案件・定例の業務・関係者への連絡)。
- 申し出の日、引き継ぎの期間、有給休暇の期間を並べて、退職日を決めます。
有給休暇の取得日は、原則として労働者が時季を指定できます。ただし、指定した時季に与える事が「事業の正常な運営を妨げる場合」は、会社は他の時季に変える事が認められています(労働基準法第 39 条第 5 項)。ただし、退職日を越えて変える事はできません。早めに上司と日程を合わせます。
次の仕事が決まっていない時、生活費はどう確かめますか
今の貯金と、毎月要る生活費を整理します。収入が無い状態で何か月過ごせるかを計算します。
- 固定費:家賃、通信費、保険料など
- 変動費:食費、交通費、日用品など
- 退職後に出る支出:住民税、国民健康保険料、国民年金保険料など
雇用保険の基本手当を受けられる条件は、ハローワークで確かめます。
退職を決めてから退職日までは、どう進めますか
| 段階 | 主な行動 |
|---|---|
| 1. 準備 | 上の 4 つを整理する |
| 2. 相談 | 直属の上司に時間をもらい、口頭で伝える |
| 3. 手続き | 就業規則の指定に従い、退職願または退職届を出す |
| 4. 引き継ぎ | 引き継ぎの資料を作り、後任へ説明する |
| 5. 有給休暇・退職 | 有給休暇を取り、退職日を迎える |
退職の意思は、いつ伝えますか
就業規則の期限より前に伝えます。転職先が決まっている場合は、内定を承諾した後に伝えます。繁忙期と決算期の直前は避けます。
直属の上司に、どう伝えますか
最初に伝える相手は、直属の上司です。先に時間をもらい、2 人で話せる場所を選びます。
| 上司の型 | 切り出し方の例 |
|---|---|
| 結論を先に聞きたい | 「今後のキャリアについて、結論からお伝えします。○月末で退職したいと考えています」 |
| 経緯を大事にする | 「これまで大変お世話になりました。悩んだ末に、○月末での退職を決めました」 |
| 忙しい | 「お忙しいところ恐縮です。15 分で済みますので、退職のご相談をさせてください」 |
引き止められにくい伝え方は、何ですか
- 「迷っています」ではなく「決めました」と伝えます。
- 会社が解決できない、前向きな理由を選びます。
- 就業規則の期限を踏まえた、具体的な退職日を示します。
- 担当の業務の一覧と、引き継ぎの期間の案を添えます。
引き継ぎの案を添えると、上司は後任の手配を考えやすくなります。
退職の準備で、つまずきやすい点
転職先が決まる前に伝えると、何が起きますか
収入が無い期間が、思ったより長くなる事があります。先に生活費を確かめます。
不満をそのまま伝えると、どうなりますか
「直すから残ってほしい」と、引き止めの材料になります。伝える時は「これから挑戦したい事」に置き換えます。
引き継ぎと有給休暇で、もめない方法は何ですか
退職日、最後の出社日、有給休暇の期間を、上司と合意した内容として書面かメールに残します。引き継ぎの資料は、案件・定例の業務・連絡先の 3 つを最低限そろえます。
引き継ぎの資料を作る時間が無い時は
BATON Personal は、自分のパソコンに残る書類などから、仕事の棚卸しと引き継ぎ資料を作ります。メールは別に追加します。追加したメールは、件名と、直近 90 日の本文の冒頭を読みます。チャットの発言は読みません。
- 届く物:引き継ぎシート(印刷できる 1 枚目と、確認が必要な事・最初の 1 週間・相手と窓口の表)、AI に渡す一式、処理の記録
- 自分に残る物:仕事の棚卸し、職務経歴書に足せるスキル。会社の資料に基づく成果物を社外へ持ち出す時や、私物の環境に保存する時は、会社の承認が必要です。
- 流れ:情報を入力して、支払います。自分のフォルダを選びます。中のフォルダの一覧で、読む物にチェックを付けます。送る範囲を画面で確かめます。『整理を始める』を押します。完了のメールから、zip で受け取ります。
- データの扱い:フォルダの読み取りと確認は、ブラウザの中で行います。整理の時だけ、確認した本文の抜粋を弊社指定の AI に送ります。学習には使われない設定です。元のファイルは変更も削除もしません。
- 会社の資料を含む場合:処理と成果物の整理について、会社の承認が必要です。承認が無い会社の資料は、対象にできません。
- 値段:BATON Personal は基本料金+AI 処理費(購入前に表示)です。1 名・1 回の支払いで、月額はありません。
転職先の選び方や、これからのキャリアの相談は、BATON の役目ではありません。キャリアアドバイザーなどの専門家に相談してください。
よくある質問
退職を切り出す時間帯は、いつが良いですか。
上司が落ち着いて話を聞ける時間です。月曜の朝や締め日など、業務が集中する時は避けます。
上司に引き止められた時は、どうしますか。
感謝を伝えた上で、決めた事だと伝えます。条件を示されたら、辞めたい理由を書いたメモに戻って判断します。
退職届と退職願は、どちらを出しますか。
出す書類と出す先は、就業規則で確かめてください。
引き継ぎの資料を作る時間が足りない時、費用はいくらですか。
BATON Personal は基本料金+AI 処理費(購入前に表示)です。1 名・1 回の支払いで、月額はありません。
まとめ
以下は、進め方の例です。日数は、業務と退職の日程に合わせて調整します。
| 時期 | 行う事 |
|---|---|
| 今日 | 就業規則の「退職」の条文を読み、申し出の期限を確かめる |
| 3 日以内 | 辞めたい理由・望む働き方・希望する時期を書き出す |
| 1 週間以内 | 有給休暇の残りと、担当の業務・案件・連絡先を一覧にする |
| 1 週間以内 | 貯金と、毎月の固定費・変動費を整理する |
| 就業規則の期限より前 | 直属の上司に時間をもらい、口頭で伝える |
| 最後の出社日まで | 引き継ぎの資料を後任へ渡す |
出典
- 大阪労働局「よくあるご質問(退職・解雇・雇止め)」 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/jigyounushi/taisyoku.html
- 厚生労働省の資料「第 5 章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000171203.pdf
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A(年次有給休暇) https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/yukyu/q1.html
- 大阪労働局「年次有給休暇(年休・有休)について」Q5 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/hourei_seido/jikan2/kyuka.html